山下残「ここに書いてある」

 2002年に初演した、観客に本を配り舞台上からの呼びかけに合わせてページをめくりながらダンスが進行する作品『そこに書いてある』を2008年に『It is written there』としてリメイクして3都市で公演した。本の中は振付家の創作ノートからの抜粋が多く、その他にもインタビュー記事や、絵が書いてあったり、シールが貼られていたり、穴が開いた仕掛けのあるページなどがある。言葉は全て日本語と英語表記で、ベルギー公演の時は舞台上での話し言葉のみフランス語とオランダ語の字幕を使った。リメイクした成果は初演以上にいろんな人からいろんな意見を聞けたことだ。そうした中で自分のダンス観みたいなものが少しずつ見えてきた。